第2話 ミルカ

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 彼女が言ったように、毎日は雑務によって始まり、雑務によって終わった。
古参の愚劣な研究員たちは、艦船の復活にはさほど熱心ではないとすぐに分かった。
つまらない仕事をこなしながら、ミルカは目線だけを動かして現場を観察していた。
ここにいる誰もが研究者としてのプライドを持っていない。
立派な肩書きを守るために仕事をしているふりをしながら、ただここにいるだけだ。
誰ひとりとして真剣に向き合い、シン・ドローリクを復活させようとはしない。
適当にやり、適当に報告書をまとめて提出する。
”実用可能なレベルに達するには、慎重な作業を要する”
報告書にこう書いているのを、ミルカは少なくとも3回は見ている。
研究員というステータスと収入。
それを楽して得られるのがこの第7研究室という腐りきった空間である。
よほどのヘマをしなければ解雇されないのをいいことに、彼らは怠惰な生活を送っている。
これでは100年経ってもこの研究が終わることはないだろう。
ミルカは激怒した。
が、それをあくまで表には出さず、内面にふつふつと溜め込んでいた。

 

「作業終わりました。関係書類はここに置いておきます」
ミルカは冷ややかに告げた。
これが何の役にも立たない資料であることは明白だ。
過去の研究実績と、今後の研究内容をまとめているものだが、中を読んだ彼女は失笑した。
言い回しを変えてはいたが、内容はほぼ同一。
つまり今も昔も同じ事をやっているというわけだ。
読み比べればここ数年、全く成果が上がっていないことは明らかなのに、上層は何も言ってこない。
おおかた、上の連中もここの愚物と同じ種類の人間なのだろう。
ミルカは呆れるべきか憤るべきか迷った。
この研究施設は国や企業から多大な援助を得ている。
それだけ成果を期待されているからだ。
ならばそこに勤める研究員は、期待に応えるためにも成果をあげるべきではないのか?
いたずらに援助金を食いつぶす彼らを見て、ミルカは侮蔑のため息を吐いた。
「おう、ご苦労だったな」
モニターを見ながら、男が言う。
(どうせ何も映ってないくせに)
ミルカは返事もせずに隣室に向かう。
彼女は着任早々から雑務を任されているが、それはただの形にすぎない。
あちらの棚からこちらの棚へ資料を移すなど、まるで意味のない作業ばかりだった。
あの愚劣な男たちが上下関係を明確にしようと押し付けた、お飾りの”新人研修”なのだ。
2日目にそれに気付いた彼女は、暇があれば個室にこもるようになった。
愚図ばかりだが、遅すぎるスピードで研究成果を残しているのは確かだ。
膨大な資料の中から今後の発展につながりそうな情報を探し出す。
(たったこれだけ・・・・・・?)
ミルカはほくそ笑む。
連中が数年かけてようやく開発した技術がある。
が、彼女ならひとりで1ヶ月もあれば生み出せる程度の小物だった。
(それでもないよりマシか・・・・・・1ヶ月節約できたと思えば・・・・・・)
ページをめくるたび、紙の無駄遣いだとミルカは思った。
作業そのものも拙いが、報告書として文書にまとめる能力も欠けているらしい。
余計な単語があったり、意味のない冗長な文章が続いたり。
項目によっては誤字や脱字も散見される。
「あまり役に立たないわね・・・・・・」
ふっと呟くその言葉は、あまりにも優しすぎた。
現実を正しく見て、正しく感想を述べるなら、
「違うわね。全く役に立たないわ」
である。
すでに開発された技術を表現を変えて報告しているものがいくつかある。
上層はそれをチェックしていないらしい。
この研究室はもう、何年も前から時間の流れが止まってしまっているようだ。
(私が復活させるわ。私ひとりでも――)
そうとも。
自分には夢がある。
この艦を復活させ、広い世界へと旅立つこと。
彼女は常に高みを目指す。
ミュウゼンとの約束でもあるのだ。
(・・・・・・これは・・・・・・?)
ページをめくる手が止まった。
複雑な記号と専門用語が羅列された項目。
「信じられない・・・・・・!」
読み進めていくと、この項目に書かれている情報の重要性が明らかになってくる。
簡単なイラストも挿入されているが、まず目につくのは用途だ。
きわめて小さな犠牲で大きな浮力を得る、とある。
「これなら・・・・・・」
ミルカは食い入るようにその部分を何度も読んだ。
「重力圏を抜け出す推進力を得られるかも知れない・・・・・・!」
もしそうなら大発見だ。
あの愚者たちがこれを開発したとは思えない。
ずっと前にここにいた熱心な研究員が残したもの。
ミルカはそう思いたかった。
仕組みはかなり複雑だった。
よほど研究を重ね、知識も豊富でなければこれを実現させるのは不可能だっただろう。
(天才だわ・・・・・・)
興奮した彼女は、こんな時こそ落ち着くべきだと深呼吸した。
感銘を受ける時間はもう終わった。
気分を平静に保ち、ミルカはそのページを永いこと凝視した。
時折、両手の指を不気味に動かしながら、口では何かを呟きながら――。
傍から見れば奇妙な動作を彼女は数分続けた。
「・・・・・・・・・・・・」
急に我に返ったように顔を上げると、ミルカはその資料を丁寧に元の場所にしまう。
そのまま彼女は研究室を通り過ぎ、外へ出ようとする。
「おいおい、お嬢さん。どこ行くんだい?」
「お昼寝の時間かな?」
下衆な男たちの茶化しを無視し、彼女は音も立てずに室を出た。

 

 突然の客にミュウゼンは嬉しい驚きの声をあげた。
「久しぶりだな。きみがいないとここは静かでな。うん、まあ座ってくれ。お茶を用意するよ」
ミュウゼンはテーブル上の部品類を取り払い、味の薄いお茶を2人分置いた。
「ありがとうございます・・・・・・相変わらずお茶を淹れるのが苦手のようですね」
ミルカは一口飲んで言った。
香りの強い雑草のエキスが咽喉を叩くようだ。
味はほとんどないが、香りだけは妙に強い。
「ははは、いつもきみにやってもらってたからね」
クッション性のほとんどないイスに掛け、2人は談笑した。
世間話から互いの仕事の進み具合など、実に中身の濃い談話である。
他愛もない話の合間、ミュウゼンは首をかしげた。
ミルカの雰囲気が大きく変わった気がしたのだ。
彼女はこんな睨みつけるような目をしていただろうか。
笑うとき、皮肉を込めるように唇を歪めていただろうか。
何より、こんなに低い声だっただろうか。
今となっては以前のミルカは思い出せない。
それほど彼女は変わってしまったのだ。
微々たるものだが、多くが変わってしまっている。
「何かあったのか?」
それまでの話を中断し、彼は怪訝な顔つきで訊いた。
「え? な、何ですか急に・・・・・・」
突然の展開に慌てるミルカ。
だが、その仕草さえ今は冷淡な女性の性質が表れている。
「いや、元気がないように見えてね」
彼は違和感をこのように言い換えた。
こういう配慮ができる点だけ見ても、第7研究室の愚物どもとは大きく違う。
「いえ、特に何も――」
言いかけてミルカは口をつぐんだ。
ミュウゼンの自分を見る目が追及のそれだったからだ。
考えてみれば別に隠す必要もない。
逡巡もなく、ミルカは第7の様子を具(つぶさ)に述べた。
「・・・・・・・・・・・・」
聞いている間、ミュウゼンは何度も頷き、何度も呆れ、何度もため息をついた。
彼は第7の研究員の顔を知らない。
同じセンターに所属こそしているが、大半を室内で過ごすため違う部門とは交流がない。
ミュウゼンにとってミルカの話は衝撃が大きい。
研究員は皆、明るい未来のために研究開発に取り組んでいるものだと思っていた。
顔も名前も知らない同僚に負けないようにと、自分自身、身を律して仕事をしてきた。
ある種の競争心があったのは確かだ。
同時に焦りも。
「・・・・・・・・・・・・」
それらが単なる一人相撲だと分かった時、襲ってきたのは虚脱感。
もちろん、センターには他にもいくつかの研究室がある。
それら全てが怠惰で覆われているとは思えない。
中には自分たち以上に熱心な者もいるだろう。
しかし一部でも、そういう堕落しきった部門があることは嘆かわしい。
「つまらない連中だよ。これだけの設備を自由に使えるありがたさがまるで分かってない」
ミュウゼンは憤った。
そういう人間は排除すべきだとも思った。
彼にその権限があるなら、ただちにそうしていただろう。
「ただ、収獲もありました」
ミュウゼンの怒りが増す前に、ミルカは吉報を届けることにした。
失望の後の期待は何よりも美味だ。
「う、うん? 収獲?」
劣悪な環境ですさんでしまったミルカをどう慰めようか。
そう考えていたところに話題を変えられ、今度はミュウゼンが慌てた。
そんな彼の反応を見ることもせず、ミルカは手元にあった紙に何かを描きはじめた。
ここでは彼女の記憶力が役に立つ。
先ほど第7で見た資料を、寸分の狂いなく複写する。
「・・・・・・・・・・・・!!」
描かれていく図画と、その横に添えられる注意書きを見てミュウゼンの顔色が変わった。
彼が知りえなかった新しい理論がそこにある。
セラ・ケトにも十分転用可能な技術だ。
「すごい・・・すごいぞ・・・これは・・・・・・」
ミルカと全く同じ驚嘆の言葉を口にする。
すごい、という表現では足りないくらいに画期的な技術なのだ。
「これがあれば・・・・・・ここをもう少し削ればセラ・ケトに装備させることができるのでは?」
ミルカが全てを描き終わらないうちに、ミュウゼンは立ち上がって狂喜していた。
彼女がもたらしたものは研究を大幅に進めるものではない、
研究を完成させるものなのだ。
彼がずっと欲しかったもの。
現物ではなく、欲しかった知識と知恵が目の前にある。
「大変な収獲だぞ、これは・・・・・・!」
「ええ・・・・・・」
ミルカは笑っていた。
セラ・ケトの完成に欠かせない情報である。
が、同時にシン・ドローリクの完成のためにも欠かせない技術でもあった。
「大発見ですね」
自分たちの手でこれを生み出したかった、という悔いはある。
すでに誰かが編み出した知恵を利用しているようで、多少の後ろめたさもある。
しかし、それすら利用するくらいの貪欲さが研究者には必要だ。
「楽しみだぞ」
これさえあれば、2人の研究対象は間もなく完成の域に達するのだ。
高みに昇りたいというミルカの夢も、いよいよ夢ではなくなってくる。
「埋もれていた技術の復興――やっと報われた気がするよ」
ミュウゼンはは破顔した。
ひとしきり笑った後、彼は、
「そうだ、僕からもとっておきの知らせがあるんだ」
言って、奥の棚から数枚の紙を取り出した。
「何でしょう、これは・・・・・・?」
乱雑な字が並んでいる。
古いものなのか、ところどころかすれていて読みにくいが、ひとまとまりの文章のようだ。
「日記なのか報告書なのかよく分からないが、資料を整理していたら見つけたんだ」
ミルカは上の一枚を手に取った。
「・・・・・・・・・・・・」
読もうとしたが読めなかった。
あまりにも乱雑すぎる。
「少なくとも30年以上前のものであるというのは間違いないんだが。その内容がな――」
ミュウゼンは神妙な顔つきに戻った。
「どうやら何十年も前にアンヴァークラウンから飛び立った艦があるらしいんだ。
どこにあったものか、どうやって動かしたのかは分からない。書いてないんだ」
読めない文字の羅列には、そういう事柄が述べられているらしい。
「不明な部分が多いが、明らかになっている部分があまりに具体的なんだよ。たとえば・・・・・・」
ミュウゼンはミルカの持っている紙を指差した。
「ここには艦の形状、サイズ、装備等が細かく書かれてる。確度の高い記述だ」
なるほど、確かに読めるところを読めば、その内容が実に詳細に示されている。
「でも何百年も前というわけではなさそうですね。それなら人々の記憶に残っていそうなものですが?」
「秘密裡に発艦したのかもしれない。当時の記録がたったこれだけというのも妙だ」
「それを言うなら、たったこれだけを残しているのもヘンな気がします」
「だな・・・・・・」
ミルカは残りの資料にも目を通した。
セラ・ケトより大きく、シン・ドローリクより小さい艦のようだ。
それが半世紀ほど前に数名のクルーを乗せて宇宙へと飛び去ったとある。
「この艦はその後、どうなったのでしょう?」
「それも分からないんだ。こっそり戻ってきたのか、宇宙をさまよっているのか、それとも・・・・・・」
「緑に囲まれた楽園――に、たどり着いたのかもしれませんね」
言いながら、レメクはこれが性質の悪いイタズラなのではないかとも思った。
お話を作るのが好きな誰かが、あたかも現実にあったように文章でまとめあげ――。
忘れた頃に発見した誰かが興奮する様を、隠れて見ているという悪質な。
「こっちには当時のクルーの名前もある」
ミュウゼンが別の資料を取り出した。
「字がかすれていてよく読めないな・・・・・・これは・・・デオ・・・? 違うな・・・・・・ええっと」
「デューオ・・・・・・じゃないですか? その後は・・・マソナかマシーネだと思います」
「よく読めるな」
「クセのある文字ですが、特徴をつかめば多少は」
読めるからといって、これが真実だとは限らない。
検証のしようがないから、真偽を確かめるのも困難だ。
「きみはどう見る? これは事実だと思うか?」
というミュウゼンの問いに対して、彼女は冷静に、
「分かりません。参考になるところも多いですが、といって鵜呑みにするのは危険ですね」
こう切り返した。
答えたものの、信じたいという気持ちはあった。
自分と同じように空を越えたいと思い、実際に越えた者がいる。
大きな目標となる。
「なるほど。確かにそうだな」
ミュウゼンにとって、ミルカは尊敬すべきパートナーだった。
立場こそ部下ではあったが、鋭い洞察力と冷静な判断力は彼女に及ばない。
「きみにもらったこの技術、是非とも使わせてもらうよ」
検証できない情報の真偽を考えても埒があかない。
過去の資料はあくまで参考程度にし、今はこの新技術を元に一刻も早く研究を完成したい。
ミュウゼンの探究心は最高潮に達している。
これはミルカも同様で、あの愚物どもを見返したいという思いが強かった。
「ええ、一緒に完成させましょう」
その一言が、ミュウゼンにとってはとても頼もしかった。

 

 問題があった。
知識を手に入れたとしても、それを使う機会を奪われているのだ。
今のミルカはただの雑用係。
研究対象に触ることすら許されない立場だ。
”一緒に完成させましょう”
このままでは交わしたばかりの約束が守れない。
放っておけば、すぐにでもミュウゼンは研究を終えるだろう。
彼はそういう男だから。
ここにいる屑たちとは違い、真摯で熱心な研究者だから。
遅れをとることが嫌なのではない。
ともに歩めないのが我慢できなかった。
何の成果もあげない愚物の中で、無力である自分が情けなかった。
しかしそれでいいハズがない。
本来ならばミルカは最前線で研究に当たるべき優秀な人物なのだ。
彼女はこれが受ける最後の屈辱だと言い聞かせながら、
「私にも研究に携わらせてください」
と”頼む”ことにした。
そうではない。
正しくは彼らこそが彼女に頭を下げるべきなのだ。
だが現実はいつも辛辣で、
「おいおい、冗談言うなよ。新人にあちこち弄られちゃかなわねえよ」
「最初に言っただろ。ここにはここのやり方があるんだ」
「それに従ってもらわないと・・・・・・なあ?」
「大体、女があんまり出しゃばるもんじゃないぜ」
かけられる言葉は全てこの類のものばかりだ。
このどれもがミルカにとっては屈辱だった。
新人と切り捨てられたことも。
従えと押さえつけられたことも。
女という理由で否定されたことも。
こいつらはミュウゼンには遥かに及ばない。
才能も人格も、何もかもがあまりに低劣すぎる。
次第に怒りがこみ上げる。
そもそも研究対象に触れるにあたって、こいつらの許可がいるのだろうか?
認めたくは無いが、今は第7研究室にいる同じメンバーではないか。
仮に許可がいるとするなら、頭を下げる相手は上層なのではないか。
(・・・・・・こんなことがあっていいの!?)
ここにいて彼女が常に抱くのは憤りしかない。
不条理な現実に対する怒り。
自分なら――。
こいつらが何年かかっても成し遂げられない偉業を達成できる。
遅鈍だった研究を一気に進捗させることができる。
不可能すら可能にしてみせる。
それだけの自信があった。
実績もあるのだ。
こんな連中よりも遥かに役に立ってみせる。
意気込みは十分だった。
が、今はそうする機会すら与えられない。
彼らは研究を明らかに妨げている。
彼ら自身がそれに気付いていない。
理不尽なことばかりだ。
いてもいなくても――。
・・・・・・いや、明らかにいない方がよい人間ばかりがここにいる。
だが嘆いていても何も始まらない。
どうにかして船体に触らなければ、あの新技術を試すこともできない。
ミルカは怒りを何とか抑えると、個室に戻った。
今はまだ無理かもしれない。
しかし自分にも研究者としてのプライドがある。
近いうちに必ずその機会を得てやる。
固く決意し、彼女は部屋の隅に散らばる部品をかき集めた。
新技術に関する設計図はすでに記憶の中に確かにある。
仮にあの資料が滅失したとしても、今の彼女にはそれを正確に復元する自信がある。
そうなったとしても、しかし彼女は復元などはしないであろう。
あの技術は自分とミュウゼンが知っていればそれでいい。
どうせ下衆どもには手に余る知識だ。
彼女はかき集めた部品から必要なものとそうでないものとをより分けた。
何もない状態から完成した状態までが、彼女の頭の中ではっきりとイメージできていた。
手近な部品からでもある程度は組み上げることが可能だ。
愚者にはガラクタにしか見えないものでも、ミルカにかかれば優れた材料に変わる。
もちろんそれを効果的に組み立てる方法も分かっている。
隣室にいる男たちは、彼女の行動に全く気付いていない。
各々が定時になるまで適当に時間を潰している。
これがかえって好都合だった。
おかげでミルカは誰にも邪魔されずに作業を進めることができる。
仮に連中がこれに気付いても、蒙昧な彼らにはミルカが何をしているか理解することは不可能だろう。
彼女が見つけた新技術は、それを用いる者の知識が一定の水準以上に達していることを前提としている。
永く怠惰な生活を送ってきた彼らでは、全文を読めたところで内容など分かるハズがないのだ。
これがミルカの強みだった。
知識と知恵が豊富な者が常に勝利を得る。
彼女にとっての勝利はひとつ。
この巨大な艦船を実用可能なレベルまで高めること。
そしてこの艦を使ってさらなる高みに到達すること。
これは決して夢ではないし、理想でもない。
ミルカがあの資料を手に入れた瞬間から、実現するハズの未来となったのだ。

 

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